第Ⅴ章 達人の手筋

〔1〕ERブロックの2択連鎖への活用

ERブロックは、着目数字の入らない(Empty)マスが、正方形または長方形(Rectangle)の形になっているブロックで、Empty Rectangle の手筋で紹介したものです。

 

外見上は以下の3パターンがあり、□が着目数字以外の数字が入るマスで、着目数字は残りの

+・L・T 形のマスに入ります。


+・L・T  の形は、いずれも2本の直線で構成されており、1本が消えるともう一本が残るという、グループ化された2択の関係となり、2択連鎖の一部を構成することができます。

以下にERブロックを、2択連鎖の中で活用していく例を示します。下左図は如意棒が2本、お互いに離れた位置関係にあり、このままでは攻略には使えない配置です。

 

ここで下右図のように、中央にERブロックを配置すると、ERブロックが2本の如意棒を連結するような働きとなり、2択の3連鎖として攻略に活用できる配置となります。

上右図で、赤線・青線で囲った数字がグループ化された2択で、どちらが真でも、B9・H2のどちらかが数字7となります。この為、H9灰色マスから、数字7が排除されます。


グループ化された2択の交点E5マスは、縦・横方向のどちらかに属する、又は、どちらにも属さないという、アナログ的な考え方が必要になります。


連鎖途中に Empty Rectangle による排除マスもありますが、ここでは省略します(以下同)


左図は、ERブロックを右下に配置、B列の如意棒を起点とした、2択の3連鎖の攻略例です。


B列の如意棒は、B5・B9のどちらかが7で、B9=7の場合は、連鎖を辿ってE2=7となります。


この為、B5・E2より共通に見えるE5灰色マスから、数字7が排除されます。

ERブロックは、2択連鎖の中に複数配置や、始端・終端等にも配置可能で、以下にその活用例を示します。左右図のいずれも、灰色マスから数字7が排除される例です。

ERブロックは、数字の利き筋を直角方向に変換する働きや2択性もあり、いろんな攻略形の中で活用できる要素が備わっている為、別項で例を挙げて説明していきます。

〔2〕 EQブロックの2択連鎖への活用

EQブロックは、着目数字の入るマスが、縦又は横方向に2組の3連となるブロックで、2組の

3連マスが記号の "=(Equal)" の様なので、EQブロックと名付けました。

 

下図のように、既存数字1・2・3の入った3連マスが着目数字の入らないマスで、着目数字は

青線・赤線で囲った2組の3連マスに入ります。

青線・赤線で囲った2組の3連マスは、一方が消えるともう一方が残るという、グループ化された2択と考える事ができ、2択連鎖の一部を構成することができます。

 

下左図は2値マスが3個、お互いに離れた位置関係にありますが、下右図のようにEQブロックを間に配置する事で、攻略に活用できる配置となります。


赤線・青線で囲った数字7が、グループ化された2択で、どちらが真でも、B8・H3のどちらかが7となります。


この為、B8・H3より共通に見える灰色マスから、数字7が排除されます。


また、どの2値マスを起点としても、結果は同じです。

EQブロックにも、数字の利き筋を並行方向に転換する働きや2択性がある為、その活用形について、別項でいくつかの例を挙げて説明します。

〔3〕 Fin 付き如意棒の活用

前章では、如意棒同志の組合わせによる「Fin 付き如意棒」を紹介してきましたが、本章では、如意棒・2値マスの組合わせよる活用パターンを紹介していきます。

 

  ◆連鎖途中でのFin 付き如意棒 (Grouped ・・・)

2択の連鎖中に、如意棒と2値マスがブロック内で連結されている場合、如意棒の片端に余分な数字(Fin)を1個又は2個付けて、Grouped ・・・と呼ばれる攻略形に活用できます。

 

下左図は、Fin 無し・2択連鎖の例で、始点・終点のどちらかが数字7となる為、共通に見える、灰色のH2マスから数字7が排除されます。

右図は、2本の如意棒を Fin 付きとした例で、赤・青線で囲ったように複数の数字をグループ化して、1つの数字とみなす事で連鎖は継続し、H2マス≠7も変わりません。


この様に、Fin 付き如意棒と2値マスの連結も、如意棒同志と同様に、連鎖継続及び排除マスに影響を与えないため、連鎖の自由度を高めるのに役立つ考え方となります。


  ◆始点・終点での Fin 付き如意棒 (Finned ・・・)

2択連鎖の始点・終点が、如意棒と2値マスの組合わせの場合、如意棒の片端を Fin 付きとし、Finned Skyscraper と同様な仕組みで攻略する事ができます。


下左図は2択3連鎖で、灰色5マスから数字1が排除される形です。Fin の付いた下右図では Fin

に邪魔されて、排除マスは Fin 付き如意棒側の灰色2マスに限定されます。