Ⅳ-4 Empty Rectangle

〔1〕Empty Rectangle の考え方と基本型

2択の如意棒1本と、着目数字を直角(説明では上下)方向に、方向転換する働きのある

「ERブロック」を活用して、1つのマスをピンポイント攻撃する手筋です。 

 

◆Empty Rectangle の代表例

右上ブロックが「ERブロック」です。

 

ERブロックと、B列の2択の如意棒を組み合わせる事で、 H8の灰色マスから数字5を排除できます。

 

B列の如意棒の数字5が、ERブロック内の確定数字に含まれてない事がポイントです。

上図の攻略の仕組みを、下記に図示します。

 

右上のERブロックで、着目数字5の入る可能性のあるマスは、G2~I2と、H1・H3の 十字型の5マスです。

 

B列でB2=5の場合は、右上ブロックで5はH1・H3の2マスだけとなり、H列の他のマスに5が入りません。

 

このため、如意棒の両端どちらが5になっても、B8とH1・H3から共通に見えるH8より5が排除されます。

ERブロックは、着目数字の入らない(Empty)マスが、正方形または長方形(Rectangle)の形になっているブロックであり、以下の3つのパターンに大別されます。

□が着目数字以外の数字が入るマスで、着目数字は残りの +・L・T 形のマスに入ります。

+・L・T  の形は、いずれも2本の直線で構成されており、1本が消えるともう一本が残るという、2択の関係になっています。

上図の2例は、B列で2択の両端どちらが5でも、右上のERブロックの働きで、右下ブロックの灰色マスから5が排除されます。 灰色マスに5を入れると、右上ブロックで5を入れるマスが無くなり、矛盾する事で検証できます。

 

◆Empty Rectangle T字型の実戦例

 

2行目の○◇はどちらかが5の2択、右下は着目数字5のERブロックなので、5のEmpty Rectangleが成立。

 

2行目の○◇どちらが5でも、左下の★のマスから5が排除されるため、★=1が確定します。

〔2〕ERブロック内の、着目数字の配置変化

ERブロックのL・T 型は、下図のような変化形があります。(+型は変化形なし)

又、ERブロック内で、着目数字は2~4マスでも成立し、5マスの型と同等の働きをします。着目数字が、ERブロック内で2択の関係になっていればOK、以下に例を示します。

上図例は、いずれも右上がERブロックになっており、左から2列目の2択の如意棒のどちらが5でも、右下ブロックの灰色マスより5が排除されます。 (T字型は省略)

 

◆上図、で着目数字=2マスの場合の別表現

 

ERブロック内で着目数字が2マスだけの場合は、ブロック内の2択の如意棒と同じ意味になる為、左図の右上ブロックのように、如意棒を使って表現します。

〔3〕 ERブロックの利き筋を活用した攻略手法

ERブロック内は、着目数字を上下方向に方向転換する働きがありますが、上下の2方向に利き筋があり、着目数字の配置により左右方向にも利き筋が発生します。

 

  ◆着目数字の利き筋が上下2方向

下図は中央がERブロックで、通常は下方向の利き筋を使って、E8の灰色マスから5を排除しますが、上方への利き筋を活用すると、I8の灰色マスからも5を排除する使い方ができます。

  ◆着目数字の利き筋が、上下左右の4方向

ERブロックの着目数字が、上下方向に1マスだけ(下図E4)の場合は、左図の様に、上下2方向に加えて、左右2方向にも利き筋が発生します。右図は、右方向の利き筋の例です。

上右図の例は、B列の如意棒のどちらが5でも、B8またはE4のどちらかが必ず5になり、さらに、B8とH6もどちらかが必ず5になる為、2箇所の灰色マスより5が排除されます。

〔4〕ER-LW打法

Empty Rectangle (ER)と、縦横(LW)戦法を組み合わせた攻略手法です。

如意棒の2択性に着目し、片端の数字と縦横戦法で発生する利き筋と、もう一方の端の数字から発生する利き筋の、交点のマスから着目数字を排除するものです。

 

B列の如意棒の2択性に着目。

 

片端のB2と、G6の確定数字で、縦横戦法1×1を使うと、H列に数字5の利き筋が発生します。

一方のB8も、8行目に数字5の利き筋があります。

 

H列と8行目の2つの利き筋は、2択の関係になる為、交点の灰色マスから着目数字5が排除されます。

 

縦横戦法を、2回組み合わせた例です。

 

I2=5の場合は、縦横戦法を2回使って、G8=5が仮に確定し、8行目に利き筋が発生します。

 

一方、B2=5の場合も、B列に数字5の利き筋があり、2つの利き筋のどちらかは必ず実現する為、交点の灰色マスより着目数字5が排除されます。

上2図は、ブロックの外側にある5の利き筋により、黄色マスに5が入らず、疑似的に+型、又は、T型のERブロックによる Empty Rectangle と考える事ができます。

〔5〕DUAL Empty Rectangle

2組の Empty Rectangle を組み合わせた解法テクニックで、2択の如意棒2本が、ERブロックを共有し、さらに、2本の如意棒自身も片端同士を共有する形です。

 

1本目のB列の如意棒から見ると、H8の5が排除され、2本目の8行目の如意棒から見ると、B2の5が排除されます。

 

そして、B8=5が確定するのですが、如意棒の片側の数字が排除されるという、特殊な形になります。