Ⅴ-3 W-Wing

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〔1〕W-Wing の基本

2択の如意棒の両端各々から見える位置に、数字の同じ2つの2値マスが配置され、2値マスの一方の数字Xが、如意棒の数字と同じ場合に W-Wing が成立します。

そして、2つの2値マスから共通に見えるマスより、もう一方の数字Yが排除されます。

 

W-Wing はあまり有名ではありませんが、、形がシンプルな割りに、配置のバリエーションが多く、破壊力も有るため、有力な攻略手筋の1つだと思います。

 

数字5で2択の如意棒の両端から、数字58の2値マスが見えており、5が如意棒の数字と同じなのでW-Wingが成立。

 

如意棒の両端(B2,B8)のどちらが5でも、H2・G8のどちらかが必ず8になる為、H2・G8から共通に見える灰色マスから8が排除されます。

〔2〕W-Wing のバリエーション

W-Wing にはいくつかのバリエーションがあり、その内容を以下に説明します。

いずれも、2つの2値マス(58)から共通に見える、灰色マスより8が排除されます。

 

2つの2値マスが別のブロック列に配置された例です。

この場合、共通に見えるマスは、灰色の2マスになります。

 

2つの2値マスの内、一方が如意棒と別ブロック、一方が如意棒と同じブロック内に配置された例です。

 

2値マスが両方共、如意棒の端と同じブロック内で、繋がっている例です。

 

如意棒が、1つのブロック内にある場合です。

2択であれば、直線方向、斜めどちらでもOKです。

 

如意棒が、1つのブロック内にある場合の別型です。

両翼の2値マスが、縦横の両方向に配置されています。

〔3〕W-Wing-EX (拡張型)

W-Wingは、少し見方を変えると、 ab → b=b → ba という、2値マス→如意棒→2値マスの複合3連鎖とも言えます。( b=b は、如意棒の両端が数字 b という意味)

 

2値マスは1マスで2数字の2択、如意棒は2マスで1数字の2択、お互いに性質の違う2択ですが、XY-Chain と同様な仕組みで、連鎖を構成することができます。

 

この連鎖の考え方を活用すると、ab → bc → c=c → cd → da の5連鎖のように拡張する事ができます。そして、2択の連鎖を辿ると、始点・終点のどちらかが a となる為、始点と終点から共通に見えるマスより数字aが排除される、という攻略手法が使えます。

 

  ◆W-Wing-EX のパターン例

下図は2値マス・如意棒の複合4連鎖・5連鎖の例で、両図とも、始点と終点のどちらかが必ず1となるため、灰色マスより1が排除されます。(始点と終点の共通の数字=1)


   ◆W-Wing-EX ・ループ型のパターン例

複合連鎖の始点と終点が、お互いが見える位置で連結された場合に、ループ型となります。

 

ループ型の場合は、XY-Chain の解法と同様に、連鎖中で隣接するマス間で共通の数字は2択の関係になり、この2択の数字から共通に見えるマスよりその数字が排除されます。

 

下図の例では右図のように、灰色マス中に書かれた数字が排除され、重複の有るマスでは a=23、b=34 が排除されます。

W-Wing、W-Wing-EX は、性質の異なる2択を、連鎖の構成要素として考えるものですが、上位概念として、名人の手筋 Nice Chain の解法があり、より一般化されていきます。

〔4〕浜田ロジック

数字の同じ2値マスの奇数個連鎖と、如意棒を組み合わせた手筋で、下図2・6行目の様に如意棒の両端と2値マスの始点・終点が、お互いに直接見える配置の場合に成立します。

 

また如意棒の数字が、2値マスのどちらかの数字と同じである事も必要です。

 

この2値マスの奇数個連鎖は、2値マスの数字のどちらかが連鎖の両端に現れる特徴があり、

H2=5の場合は連鎖の両端=5、H2=8では両端=8となります。


一方、B列の如意棒はB2・B6のどちらかに数字5が入る形ですが、2値マス連鎖の両端が5の場合、如意棒のどちらのマスにも数字5を入れる事が出来ず、矛盾が発生します。


この為、連鎖の両端が如意棒の数字と同じ5の場合は誤りで、2値マスの3連鎖は両端の数字=8が正解、そして H2=8、H4=5、G6=8 が確定します。


以上が、数値の同じ2値マスの奇数個連鎖に特徴がある、浜田ロジックの攻略手法ですが、以下のように W-Wing 等の手筋に置き換えて攻略する事も出来ます。


左図は、W-Wing の攻略手法により、H2・G6の2値マスのどちらかがが数字8となります。


この為、H2・G6から共通に見える灰色6マスから数字8が排除され、H4=5が確定します。


続いて、H2=8・G6=8も確定します。

又、"如意棒-2値マス-2値マス" の2択3連鎖、と考えても攻略できる形です。


2択連鎖の始点と終点のB6・H4マスは、どちらかが数字5となります。


この為、共通に見える灰色5マスから数字5が排除され、

G6=8が確定します。


続いて、H4=5・H2=8も確定します。


この形も、B2・H4のどちらかが数字5になるため、共通に見えるH2から数字5が排除され、H2=8が確定します。


続いて、H4=5、G6=8も確定します。

左図は、Empty Rectangle と同じ攻略形でもあります。

一つの攻略配置に対して、いろんな手筋の要素が含まれているのが興味深いところです。